バッテリーカバー開発ストーリー

インタビュートップ画像

電気自動車に対応する新しい『樹脂製バッテリーカバー』

インタビュー画像01

電気自動車のバッテリーを高熱から守るバッテリーカバー。近年、電気自動車の航続距離アップを目的として軽量化ニーズが高まり、バッテリーカバーの材料を金属から樹脂に変更したいという要望が高まっています。そこで新たに着手した開発が、耐熱(耐火)性を向上させた樹脂製バッテリーカバーとなります。

樹脂製バッテリーカバー01

通常、樹脂材料は燃えると炭化してしまいます。燃えにくく、燃えた後も強度を保持できる樹脂材料を目指して、プロジェクトはスタートしました。樹脂材料を燃えにくくするための3つの要素、①熱分解抑制、②可燃性ガスの遮断、③酸素の遮断の全てを満たすために、どのような材料を使うのが良いかを検討することから開始しました。

続いて、新材料を検討するにあたって欠かせないのが材料メーカーとの調整です。様々な材料のレシピをメーカー担当者の方と一緒に考えて、試しては評価することを幾度となく繰り返しました。また、私自身が経験のない工法を採用することとなったため、他部署の人に知識を教わりながらの開発となりました。製品開発において、社内外の様々な方とコミュニケーションを密にとっていくことは非常に重要です。新しい技術をつくることは、自分一人だけでは絶対に出来ないからです。

樹脂製バッテリーカバー02

インタビュー画像02

様々な人の協力を得ながら約1年の時を経て、過酷な高温環境下に耐える樹脂製バッテリーカバーを開発することに成功しました。今回の構造は、一部分に金属を使用しており、完全な樹脂製には至っていないため、現在も理想の樹脂製バッテリーカバーを完成させるべく開発を継続しています。R&D本部の仕事は、新製品や新技術の開発。常に最先端を追いかける“開拓者”を目指しています。これからも難易度の高い課題に対して果敢にトライし、お客様のどのような要望にも応えられるような研究者を目指していきたいと思います。