成形

お客様のニーズに合った製品を提供するため、大型部品から小物部品まで、様々な材料を使って成形しています。成形に求められるお客様の要望は、成形の技術力を高め、成形のものづくりの幅を広げる機会につながります。インジェクション、プレス、ブロー、表皮、真空、2色、発泡、パウダースラッシュ等、必要に応じて多様な成形工法から選択し、お客様にお届けしています。

基材成形

高度な成形技術と金型マシンのノウハウ蓄積により、ハイサイクル化、高品質化への挑戦を続けています。また材料開発技術の内製化によりあらゆる要求スペックへの対応と材料のコストダウンを両立しています。

インジェクション成形

インジェクション成形とは、ペレットと呼ばれる樹脂材料を加熱して溶かし、射出装置から金型に溶かした材料を注入し、金型を冷却して固める工法です。金型の造形により様々な形状の樹脂製品を成形することができます。成形品の大きさによって金型を締める圧力が変わるため、適した型締力の成形機を使用します。

FRPプレス成形

FRPプレス成形とは、SMC(Sheet Molding Compound)と呼ばれる材料を使用します。SMCとは、樹脂や硬化剤、増粘剤等を混合した樹脂ペーストの両面をフィルムで被覆したシート状の材料です。プレス成形は、プレス機でSMCを加圧・加熱し硬化させ熱硬化成形品を製造する成形法です。

成形品と特性としては、高温に強いという特性があるため、自動車のEV化が進んでいる昨今、バッテリーケース等で需要が高まっている成形方法です。

表層成形

高品質と低コストを両立するインサート成形、質感・デザイン・乗員保護を提供するパウダースラッシュ成形、真空成型のハイサイクル化、端材のトリムレス化など、業界をリードする技術で製品の付加価値を高めています。

パウダースラッシュ成形

スラッシュ成形は、原材料に1粒0.15mmのパウダーを使用し、高温に熱した金型に付着・溶融させて冷却することで1枚の表皮を成形します。

インジェクション成形ではできない形状も成形することができ、薄肉で柔軟な質感の表現によりデザインの自由度が広がります。また、金型製作時に本革の模様を転写させることも可能で、本物のような質感をそのまま表皮として再現できることが強みです。

縫製

お客様のニーズに合わせ、表皮に縫製というデザインを付加する技術を確立しています。縫製を行うミシンは、表皮厚のバラつきに対応できる機能と蛇行しない機能が備わっています。さらに縫い目に沿って追従するコンベアと連動しており縫溝からはみ出すことなく縫製することができ、デザイン性の向上に貢献しています。

フェイクステッチだった表皮から糸を縫い付けた表皮を実現し、世界に1つしかないインストルメントパネルをお客様に供給できる“匠”の技術です。

ティア加工

パウダースラッシュ成形で製造した表皮に対し、ティア加工と呼ばれるエアバッグを展開するための切れ込みを入れる工程です。表皮の特性であるミリ単位の厚みのバラつきに対し、設定された残肉厚になるように表皮の板厚差に応じて加工を行い、表皮の質感を損なわないエアバック展開のティア加工を実現しています。

これらは、乗員の安全を確保するエアバックの展開に必要不可欠な加工で、非常に重要かつ信頼性の高い加工技術を担保した工法です。

CP成形

CP成形とは、ハードインパネに対し、柔らかく温かみのある質感のソフトインストルメントパネルを製造する工法です。樹脂とウレタンで軽量化を実現するとともに製品形状に合わせた注入を可能にした独自の工法「NTS(ニュートリムレスシステム)」により、廃棄物を大幅に削減、カーボンニュートラルに貢献している工法です。