バンパーやテールゲートのみならず、軽くしなやかな樹脂製外装部品は、今後ますます応用範囲が広がることが期待されます。私たちはその先陣を切って、様々なアプリケーションを提案していきます。
ルーフ
最軽量のルーフモジュール開発
オープン・スポーツカーに採用される着脱式のルーフは「人の力で持ち運びでき、脱着が容易なこと」が絶対条件です。この課題に対し、軽量高強度高剛性のSMC(Sheet Molding Compound)を採用したことで、機能と性能を満足させました。また、熱硬化性樹脂であるSMCは熱特性に優れ、成型時の収縮がなく、線膨張係数も鋼板と同等です。寸法安定性が優れることから、厳しい車両建付け精度が求められた可変ルーフにも採用されました。近年、強化材をカーボン繊維としたCF(Carbon Fiber)-SMC材の開発も進み、更なる軽量化で環境保全に貢献していきます。
オーバーフェンダー
一貫生産による外観品質の向上とコスト低減を実現
成形から塗装まで自社工場にて一貫生産が可能であり、高輝度塗装品質にも対応できるため、お客様のニーズに沿った外観品質やコスト低減を実現しています。
ラゲッジパネル
高いデザイン性で空力デバイスを取り込み燃費向上と走行安定性を実現
オープンカーのラゲッジパネルは複雑な動きを繰り返すことからアルミなどの金属製がスタンダードでしたが、軽量かつ高剛性な熱硬化性樹脂を使用することで金属から樹脂への代替を可能にし、大幅な軽量化を実現しています。また、軽量化だけではなく樹脂が持つ高い形状自由度を活かした複雑でシャープな造形を可能とし、高い空力性能とデザイン性を確保しています。例えば空気の流れによって自動車が持ち上がる力(揚力)を抑えるため、ダックテールタイプの形状とすることで、リア側の揚力を低減することができ、高速走行時の操縦安定性に寄与しています。
また、テールランプやボディパネルとの隙間を最小化するなど、デザインの細部にわたって高いクオリティを追求しています。
給油・給電口
ユーザーの利便性に配慮した付加価値の高い給油・給電口を実現
金属から樹脂への置き換えによる軽量化はもちろん、錆びにくく外観品質の高い給油・給電口を実現しています。樹脂の優位性である形状自由度の高さを活かし、キャップを給油時に吊り掛ける構造や開閉をアシストする付加機能などを統合することにより、お客様のニーズに対応しています。電動化が加速し、給油から給電へとユーザーの使用環境も変化する中、それぞれの使用環境に適した利便性と付加機能を兼ね備えた高性能化開発や徹底的な軽量化やコスト低減に取り組んでいます。