自動車と乗員のインターフェースとなるコクピットは、安全性はもちろんのこと、快適で楽しいドライビングを何倍にも増幅させる空間づくりが重要になります。私たちは樹脂の可能性を引き出し、質感が高く心地よい空間の提供に貢献しています。
インストルメントパネル
DNC独自の材料開発で、高触感スラッシュPVC表皮を実現
理想の触感を追求し、PVCパウダースラッシュ材料とウレタン材料を同時開発することで、感性に訴える心地よい触感を実現しています。また、助手席エアバックは従来のエアバックリッド別体構造ではなく、助手席正面のエアバック展開口の見切りラインが見えず、装備を意識させないインパネ本体一体のインビジブルエアバック構造とすることで意匠性を向上させており、さらにエアバック展開性能を自社で評価することで、意匠性と安全性の両立を実現しています。
スラッシュ表皮の縫製技術
パウダースラッシュ成形工法にて3次元意匠に成形された薄肉のPVC表皮に、クラフト感を高める「縫い目(ステッチ)」加工を施すための研究開発を進め、リアルステッチを施したインストルメントパネルをお客様へ供給しています。より本物感を求める市場と客先のニーズに応えるべく産業用ミシンに独自ノウハウを織り込むことで、布地に比べて伸びが大きく破れやすい材質に対してもリアルなステッチラインを安定して表現することに成功しました。また多種の糸色を自動判別できる工程設計を行い、多品種少量生産を実現し、在庫の適正化も実現しています。
デコレーションパネル
開発段階での試作品検証でデザイン自由度に貢献
より高い質感を再現するためには、洗練されたデザイン造形を実現する必要があります。
これまで培ってきた表皮巻き技術のノウハウを生かし、デザイン造形を忠実に再現できるよう開発を行っています。
リアコンソール
ユーザーの実際の使用シーンから、コンソールリッド開閉のあるべき姿を実現
身体を支えるという機能だけでなく、直感的な操作が行えるための剛性を確保し、なおかつユーザーの使いやすさを極めた構造を開発しています。また上質さ(心地よい触感)も両立した製品設計を実現しています。
インジケータ
電子部品と樹脂部品の統合開発による電装部品量産を実現
複数の電子制御ユニット(ECU)間通信と発光素子(LED)制御をひとつの集積回路にまとめたマイクロコントローラを基本技術として、待機電流を極限まで小さくした回路を搭載した、自動車のシフトインジケータを2019年から量産しています。
電子部品と樹脂部品を統合開発することで、よりスマートで意匠品質を統一した部品開発を実現しています。
電子部品開発技術
CASE時代の到来を迎え、新たな領域にチャレンジするため、2016年から本格的な車載向け電子部品の開発をスタート
機構/回路/ソフトウェアの設計から量産までワンストップ開発することで、市場ニーズに対する開発アプローチの質とスピードを向上させ、自社固有技術と電子技術を融合した製品開発を進めています。